革の選びかたについて

革の種類を理解する

良い革とは?

良い革とは自分に合った革、つまり自分の使用目的・スタイルに合った革だと思います。

本革ならなんでもいいかな。。と昔は特に気にしたこともなかったのですが、

革についての知識が少しでもあるとこんなメリットがあります。

  1. 自分好みの革製品に出会いやすくなる
  2. 手入れの仕方がわかる
  3. 結局長く使用できる

気に入って買ったアイテムは長く使いたいので、その為にも革製品を見たときにはどんな革を使ってるのかな?と気にしてみるといいですね、より革が好きになっていくと思います!

このページではこんな内容を書いて、メリット・デメリットも少し説明します。

目次

革のなめし方

動物の “皮” はそのままでは腐敗したり、硬くなってしまうので “鞣し(なめし)” という工程をいれて柔軟性、耐久性のある “革” にします。この鞣し方によって出来上がった革の性質が大きく変わってきます。

植物タンニンなめし

草や木のタンニン(渋)をつかって革を鞣す方法で一番歴史のある方法ですが、一番手間と時間がかかる方法でもあります。

ミモザや栗の木のタンニンなどを使った革からは俗に言う革らしい匂いがします。

出来上がった革の一番の特徴は経年変化(エイジング)を楽しめることです、使用とともに革にツヤがでて色濃く変化していくので革を育てている感覚が楽しめます。

植物タンニンなめし革のメリット・デメリットは

  • 経年変化を楽しめる
  • 自然な風合い
  • 環境にも優しい
  • 水に弱い
  • 少し値が張る
  • 変色しやすい

革好きな方の多くが革の経年変化を楽しみたいという方だと思うので、それでしたら植物タンニンなめしの革一択でも大丈夫です。

プレゼントをお考えの方は相手の使っている革小物をさりげなく観察してみてください、自然な風合いで色濃く光沢が出ていたらこのタイプの革を選んであげてください。

クロムなめし

塩基性硫酸クロム塩という鞣し剤を使った金属鞣しの方法で、短時間で鞣しの工程を終えることができます。

今の多くの革製造業はこのクロム鞣しの方法を用いています。

クロム鞣しのメリット・デメリットは

  • 軽くて丈夫
  • 柔らかい
  • 手入れが簡単
  • 経年変化はほとんどしない
  • 金属アレルギーがでる場合も

後で出てくる染色方法にも関係していますが、雨に濡れるのを気にしたくない、手入れもそこまで気にしていられないというのであればクロム鞣しの革がいいかと思います。 といっても市場で見かける8割はクロム鞣しの革なので普段何気なく見ている革製品はクロム鞣しでできたものです。

コンビネーションなめし

植物タンニン鞣しとクロム鞣しの良いとこを合わせた鞣し方です。丈夫で変化は多くはないですがエイジングも楽しめる革です。

じゃあこのコンビネーションが一番いいのか?と言われるとそうでもなく、やはり風合いは植物タンニン鞣しには敵わないですし、コバの仕上げが難しい、値段が高めなど色々な要素を考えないといけないです。

革の染め方

革の鞣し方の次に革の雰囲気に大きな影響を与えるのが色の染め方の違いです。

簡単に分けると二つの種類があります。

染料・アリニン仕上げ

革の表情を損なうことなく革の繊維を染める方法で、自然な風合いが楽しめます。

  • 自然な風合い
  • 経年変化が楽しめる
  • 革を活かした染め方
  • 革の本来傷が残っている
  • 染めムラがある
  • シミになりやすい

顔料仕上げ

革の表面に色を乗せる染色方法です、ペンキを塗るイメージが近いかもしれません

  • 革の表面がきれい
  • 色の変化が少ない
  • 傷つきにくい
  • 経年変化をしない
  • 自然な風合いではない
  • 良い革を使っていない

リストにすると染料仕上げのデメリットに目がいってしまいますが、革好きな方ならば染料仕上げの革がおすすめです。傷や色ムラは経年変化していくと全体に馴染み良い雰囲気になってくれますし、他には無い一点ものの証しでもあります。

まとめ

自分がどんな革製品を使いたいか、相手にプレゼントしたいか見えてきましたでしょうか。

革らしさを楽しんで長く使っていきたいと思うのであれば植物タンニン鞣しの染料仕上げが最適だと思います。

素材は革がいいけど、やっぱり見た目やカラーを重視したいというのであればクロム鞣しの製品が良いと思います。

是非革製品を見るときにはどんな革を使ってるのかなぁと考えてみてくださいね!

REGENで制作している革製品はイタリア植物タンニン鞣し協会に所属するテンペスティ社のものを使用しています。

一部コンビネーションなめしの姫路アルコタンニンレザーを使用した作品もありますので作品ページの詳細をご覧ください。

革の種類を理解する

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